日本人の魂!?桜(芽分解編)

さ,予告通り桜(ヤマザクラ系)の芽を分解してみましょう.
人さまのものはいけません,許可を取ってから頂いてきましょう.

今ならまだヤマザクラはこういう芽が枝にぷくっと着いているはずです.

なんか何重にも鱗のように茶色い皮が重なっているのがわかりますか?これを枝から取った断面を見ると

なにやら中は緑色で,重なっているのがわかります.

慎重にピンセット


(この程度で十分です)

で茶色い皮を剥いていきましょう.パリパリして剥きにくい時はちょっとぬるま湯でふやかすといいです.で,剥いちゃうと中は

こんな風に緑.何か葉脈のようなものも見えませんか?葉っぱがぐるっと巻きついているような・・・.

じゃあ中身は葉か!

いえいえ,違います.それだけじゃありません.この桜の芽にはもっと色々詰まっています.

通常私はフェザーの両刃剃刀をこういう風にパキっと折って使っています.

片刃だと,ちょっと刃が厚くて扱いにくいので,危ないけど両刃の剃刀を半分に折って使うのが慣れると一番いいです.デザインカッターでもできそうですが,多分刃があれも厚すぎてダメだと思います.

あとはメスか・・・(最近つかってませんが,医療用を1本持っているといいと思います).

で,断面.

お,なにやらぎっちり色々詰まってるじゃないですか.

もっと拡大!!

これは,周りの部分は葉,そして上の方に見える白い粒粒は花になる部分です.

そう,花と葉とセットで全部このひとつの小さい芽に入っているのです.

花のつぼみを想像してください.

ガクの中から花びらが出てきて・・・それからおしべ,めしべって中にありますよね?つぼみもこんな風に切ると同じ構造になっています.これは桜の葉と花の「つぼみ」なんです.

こんな風に植物は色々な時に芽の中身が「入れ子状」になっている事が多いです.この場合は花が咲き終わった葉が中心にあって,外に花,そして周りに先に開く葉.

地下茎の中にも,中心に花,周りに葉,そしてその更に外側に地下茎という構造になっていて,段々展開していくもがあります.

ぎゅーっと小さい「つぼみ」にこうやって色々入っているんです.これは春先の今しか見れません.

実は手が届かなくて断念したのですが(しょうもない理由ですみません),イチョウの芽の中身はもっとすごいことになっています.どんどん今手に入る「芽」を分解して観察してみてください.

その後その芽がどういう順番で展開するのか,花が先か,葉が先か,それとももっと違うものが先に出てくるのか!?

ソメイヨシノはもっと違う構造になっているはずです.両方手に入る人は分解してみてください.

さて,今回カメラはマイクロフォーサーズの45mmマクロを,更に拡大!と言った時は

こういうルーペを使いました.どっちも10倍ですが,下の方が解像度が高く,きれいに見えます.普段はほぼこちらを使いますが,ちょっと小さいので,クオリティが落ちてもいい時は上のを使います.

更に商売道具として

15倍のスケールルーペも持っています.

これだけあれば大体外での観察はできるかな?と思います.

15倍スケールルーペで1万円ぐらいです.

まだまだ早春の植物を解剖していきます.