ひまわりって?(花のつくり)

すみません,寝てました.比喩とかじゃなくて,毎日眠くて,眠くて寝てました.春眠・・・とかいうやつですかね?

前の「品種」の話でした「品種改良」.きっと専門家の方が読んだら「え?何その原始的な方法.今でもそんな方法をやってると本気で・・・」と思ったでしょう.

はい,その通りです.実は現在ではもっと品種改良の方法は効率的かつ,技術もかなり進歩しています.

でも,それはあまり一般の人にはまだ知らせないほうがいい事実なのかなあ・・・・と思い,あえて一番原始的な方法を書きました.興味のある方はそのまま農学部に進学して育種方面に進みましょう.

さて,ひまわりですが.

大体日本人に「ひまわりの絵を描いて」と言うと

こう描きません?

これって真ん中の部分は?なんで周りと違う「花びら」をしてるんでしょう?

あなたはひまわりの「花のつくり」をよくよく見たことがありますか?

実はひまわりというのは2つの目的で農作物として育てられてきた植物でもあります.

ひとつは「観賞用」.おうちで育てたり,切り花として部屋に飾ったり.

もうひとつは「商業用」.これはスーパーに行くとわかるのですが,「ひまわり油」というのが売っています.ひまわりのタネからは沢山の油がとれるので,油をとる目的として商業用に効率よく油がとれるように花が改造されてきました.

そのふたつの差は?

ひまわりの花は実はこういう「つくり」になっています.

簡単ですが,筒状花という花と舌状花という花,これはひとつひとつ独立した「花」です.それがいっぱい集まって,ひとつの「ひまわり」という「花の集合体」を作っているのです.

ゴッホのひまわりの絵に戻ってみましょう.

よく見てください.ふたつ花があるでしょう?

真ん中が茶色いひまわりと,全部黄色いひまわりが.

茶色い部分は筒状花です.雄しべと雌しべを持つことからわかるように,これは受粉を行い,タネを残せる花です.じつは舌状花はタネを残せない「飾り」です.

だから,タネを沢山残して油を沢山とりたい商業用のひまわりにはこの筒状花が多い品種を用いています.そして今日本では見ることが少ない多重咲きのひまわり,舌状花を多く持つものは観賞用です.

ひまわりは「キク科」です.

キク科にはふたつの名前があります.ひとつは

Compositae

これはそのまま沢山の花の集合体の花であるので英語の「Compose」から来ています.もうひとつは

Asteraceae

これもそのままと言えばそのまま,英語の「Aster(星のような形)」から来ています.まだキク科の学名はどちからでも統一されていないのが現実なので,どっちを使っても間違いではありません.

最近は背の高い,切り花としては扱いにくかったひまわりも品種改良によって短くて,おうちに飾れるサイズのも増えてきました.夏前には花屋さんに並ぶと思います.

あなたも「ゴッホのひまわり」,そしてこの「沢山の花の集合体」である「キク科」の「ひまわり」をよく見てください.

そうそう,余談ですが「品種」.よく知らないシステムですが,登録するときに品種改良した人が好きに名前を付けていいようで.昔「ミセスハシモト」という花を見たことがあります.「ハシモト」さんの奥さんがこのお花のように美しかったのか,何か品種改良された旦那さんに考えがあったのか・・・.

後々残ることを思えばかなり勇気のあったネーミングだと・・・.

じゃあ「ひまわり」の話はここまで.こんな時期はずれな時にすみませんでした.今度はちゃんと季節の花を取り上げますので・・・.